BMIの計算方法と標準体重の求め方:計算式と電卓での手順・判定基準の違い
BMI(体格指数)の計算式「体重(kg)÷身長(m)²」と電卓での押し順、標準体重(BMI 22)の求め方、日本肥満学会(JASSO)とWHOの判定基準の違い、計算時の注意点を分かりやすく解説します。
公開日
BMIの計算式と電卓での計算手順
BMI(Body Mass Index:体格指数)は、体重(kg)を身長(m)の2乗で割って計算します。電卓で手計算するときは、**「体重 ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)」**と2回続けて割り算を入力するのが最も簡単です。たとえば身長170cm、体重65kgの人なら、身長を1.7mに直して 65 ÷ 1.7 ÷ 1.7 とキーを押すと、結果は約 22.5 になります。
計算式は次のとおりです。
BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)
なぜ「÷ 身長 ÷ 身長」と2回割るのか
数学の割り算の性質として、A ÷ (B × B) は A ÷ B ÷ B と等しくなります。一般的な電卓で B × B(身長の2乗)を先に計算しようとすると、その結果をメモ用紙に書き留めてから体重を割り戻す必要があります。しかし、「体重 ÷ 身長 ÷ 身長」と続けて割れば、メモを取る手間もメモリ機能(M+やMR)を使う必要もなく、1回の計算で確実にBMIを算出できます。
身長はcmではなく「メートル(m)」に換算する
BMI計算で最も多い間違いが、身長をセンチメートル(cm)のまま入力してしまうケースです。
- 誤った計算: 65 ÷ 170 ÷ 170 = 約0.00225
- 正しい計算: 65 ÷ 1.7 ÷ 1.7 = 約22.49(小数第1位四捨五入で
22.5)
身長のcmからmへの換算は、数値を100で割る(小数点を左に2つ移動する)だけです。
- 150cm → 1.5m
- 158cm → 1.58m
- 165cm → 1.65m
- 172cm → 1.72m
- 180cm → 1.8m
ポンドとインチ(ヤード・ポンド法)での計算式
体重がポンド(lb)、身長がインチ(in)の場合は、体重に 703 を掛けてから身長(インチ)の2乗で割ります。
BMI = 703 × 体重(lb) ÷ 身長(in) ÷ 身長(in)
この「703」という係数は、単位換算の定義値(1ポンド=0.45359237kg、1インチ=0.0254m)から導かれる 0.45359237 ÷ 0.0254² ≒ 703.0695… を四捨五入した近似値です。
標準体重(適正体重)と普通体重の求め方
BMIがわかると、自分の身長に対する「最も病気になりにくいとされる基準の体重(標準体重)」や「適正な体重の範囲(普通体重)」も計算できます。
標準体重(BMI 22)の計算式
日本肥満学会では、BMI 22 を統計的に生活習慣病や有病率が最も低い「標準体重(適正体重)」としています。標準体重を求める式は次のとおりです。
標準体重(kg) = 22 × 身長(m) × 身長(m)
電卓では、身長(m)を2回掛けてから22を掛けます(例:身長170cmなら 1.7 × 1.7 × 22 = 63.58 → 63.6 kg)。
主な身長ごとの標準体重(BMI 22)の目安は次の表のとおりです。
| 身長 (cm) | 身長 (m) | 標準体重 (kg) | | :-------- | :------- | :------------ | | 150 cm | 1.50 m | 49.5 kg | | 155 cm | 1.55 m | 52.9 kg | | 160 cm | 1.60 m | 56.3 kg | | 165 cm | 1.65 m | 59.9 kg | | 170 cm | 1.70 m | 63.6 kg | | 175 cm | 1.75 m | 67.4 kg | | 180 cm | 1.80 m | 71.3 kg | | 185 cm | 1.85 m | 75.3 kg |
普通体重の範囲(BMI 18.5〜25.0未満)
標準体重(BMI 22)はあくまでひとつの目標値です。医学的には、BMI 18.5以上 25.0未満の範囲内であれば「普通体重」とみなされます。
- 普通体重の下限:
18.5 × 身長(m) × 身長(m) - 普通体重の上限:
25.0 × 身長(m) × 身長(m)より少し小さい値(25.0ちょうどは肥満区分)
たとえば身長170cmの場合、18.5 × 1.7² = 約53.5kg、25.0 × 1.7² = 72.25kg となるため、普通体重の範囲は約 53.5kg〜72.2kg です。約18.7kgもの健全な幅があり、この範囲内に収まっていれば健康維持の観点からは十分といえます。
日本肥満学会(JASSO)とWHO基準の違い
健康診断や海外のヘルスケアアプリでBMIを確認した際、判定結果の呼び名が異なることがあります。これは、日本肥満学会(JASSO)の基準と世界保健機関(WHO)の国際基準で、BMI 25以上の区分名が異なっているためです。
| BMI値 | 日本肥満学会(JASSO)の判定 | WHO(世界保健機関)の判定 | | :------------------ | :-------------------------- | :------------------------------------------------- | | 18.5 未満 | 低体重(やせ型) | Underweight(低体重) | | 18.5 以上 25.0 未満 | 普通体重 | Normal weight(普通体重) | | 25.0 以上 30.0 未満 | 肥満(1度) | Pre-obesity / Overweight(肥満前段階・過体重) | | 30.0 以上 35.0 未満 | 肥満(2度) | Obesity class I(肥満1度) | | 35.0 以上 40.0 未満 | 肥満(3度) | Obesity class II(肥満2度) | | 40.0 以上 | 肥満(4度) | Obesity class III(肥満3度) |
なぜ日本ではBMI 25から「肥満」とするのか
WHO基準ではBMI 25〜30は「過体重(Overweight)」であり、「肥満(Obese)」と呼ばれるのは30以上です。
一方、日本肥満学会が25以上を「肥満(1度)」と定義している理由は、体質的な差による生活習慣病リスクの現れ方の違いにあります。日本人を含む東洋人は、欧米人に比べて皮下脂肪よりも内臓脂肪が蓄積しやすい体質を持っています。その結果、欧米人ほど極端に体重が増えていなくても、BMIが25を超えた段階から2型糖尿病、高血圧、脂質異常症、脂肪肝などの代謝異常を発症する頻度が急激に高まることが大規模な疫学調査で確認されています。そのため、日本では予防医学の観点から25以上を肥満と位置付けています。
「肥満」と「肥満症」の違い
医学上、「肥満」と「肥満症」は明確に区別されます。
- 肥満: BMI 25以上の状態そのものを指す体格の区分
- 肥満症: 肥満によって健康障害(高血圧・糖尿病・睡眠時無呼吸症候群・関節症など)が生じているか、内臓脂肪型肥満(腹囲が男性85cm以上・女性90cm以上)があり医学的に減量治療が必要な疾患
単にBMIが25以上であっても直ちに疾患と診断されるわけではありませんが、健診での生活習慣見直しの重要な目安となります。
表計算ソフト(Excel・Googleスプレッドシート)での計算式
社員の健康診断データや日々の体重記録表でBMIを自動計算したい場合は、次の関数や数式を使えます。
A2セルに「身長(cm)」、B2セルに「体重(kg)」が入力されている場合:
BMIを計算する数式
=ROUND(B2 / ((A2 / 100) ^ 2), 1)
身長(cm)を100で割ってメートルに変換した上で2乗し、体重を割って小数第1位に丸めています。
標準体重(kg)を計算する数式
=ROUND(22 * ((A2 / 100) ^ 2), 1)
判定区分(日本肥満学会基準)を表示する数式
Excelの IFS 関数(またはGoogleスプレッドシートの IFS)を使うと、判定結果を自動表示できます。
=IFS(
B2 / ((A2/100)^2) < 18.5, "低体重",
B2 / ((A2/100)^2) < 25, "普通体重",
B2 / ((A2/100)^2) < 30, "肥満(1度)",
B2 / ((A2/100)^2) < 35, "肥満(2度)",
B2 / ((A2/100)^2) < 40, "肥満(3度)",
TRUE, "肥満(4度)"
)
BMIを正しく解釈するための注意点
BMIは手軽で優れたスクリーニング指標ですが、身長と体重の比率だけで機械的に算出するため、個人の体組成によっては判定と実際の健康状態が一致しない場合があります。
1. 筋肉量が多い人は「肥満」と誤判定されやすい
BMIは体脂肪と骨・筋肉の区別ができません。アスリートや定期的な筋力トレーニングを行っている人は、体脂肪率が低く引き締まっていても、筋肉の重さによってBMIが25を超え「肥満(1度)」に分類されることがあります。この場合は健康上のリスクを伴う肥満ではないため、体脂肪率や腹囲、健康診断の血液検査の結果を合わせて総合的に判断します。
2. 高齢者では目標とするBMIが異なる
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、フレイル(加齢による虚弱)や低栄養、サルコペニアの予防を重視し、年代ごとに「目標とするBMIの範囲」を定めています。
- 18〜49歳: 18.5〜24.9
- 50〜64歳: 20.0〜24.9
- 65歳以上: 21.5〜24.9
特に65歳以上の高齢者の場合、BMIが18.5に近い「やせ気味」の状態は筋肉量の低下や免疫力低下、骨折リスクの上昇につながりやすいため、少しふっくらした体重(BMI 21.5以上)を維持することが推奨されています。
3. 子どもには成人向けBMIをそのまま適用しない
成長期の子ども(幼児・学童)は頭部や手足の比率が成人と大きく異なるため、成人用のBMI基準(18.5〜25.0)は当てはまりません。学童期(小中学生)には「ローレル指数」や、年齢・性別ごとの標準体重をもとにした「肥満度(%)」を用いて評価します。
BMI計算ツールでの自動計算と目標体重の確認
手計算や電卓を使わずに素早く計算したい場合や、普通体重までの具体的な差(あと何kg減らす・増やすべきか)を知りたいときは、App MuseumのBMI計算ツールを活用できます。
- 自動計算と目盛り表示: 身長と体重を入力するだけで、BMI・肥満度判定・標準体重・普通体重の範囲が即座に表示されます。判定区分のバーの上に現在値がピンで表示されるため、次の区分までの余裕が一目でわかります。
- 普通体重までの差を提示: 判定が「肥満」や「低体重」の場合、普通体重の範囲内に入るために必要な体重の増減(例:
−3.5 kgなど)が0.1kg単位で算出されます。 - ポンド(lb)やフィート・インチ(ft・in)にも対応: 海外の健康診断票や体重計で一般的なポンド・フィート表記での入力にも対応しており、近似値ではなく単位定義(1インチ=2.54cm、1ポンド=0.45359237kg)に基づいた高精度な計算が可能です。
- データ非保持の安心設計: 計算はすべてブラウザ内で行われ、入力した身長や体重の数値がサーバーに送信されたり保存されたりすることはありません。

